200年以上も昔に絶滅したと言われる伝説の獣・狼。しかし、実は狼は時折その姿を人へと変え、人間たちの目を騙しながら、密かに生き延びていた。 そんな狼の若者の1人であるキバは、狼を狼だけに許された世界・“楽園”へと導くという“月の花”の匂いを追い求めていた。 そんな中で、ツメ、ヒゲ、トオボエら狼の仲間達、そして楽園一面に咲き乱れると言われる“月の花”より貴族が作り出した“花の少女・チェザ”と出会い、キバは彼らと共に荒廃した世界を舞台へと、長く過酷な旅に出る。 一方、チェザの研究に没頭する余り私生活を捨て夫の元を去るシェール。それを追う元夫のハブ。かつて家族を惨殺された記憶を持ち狼に復讐を誓うクエント元保安官。そして、チェザを執拗に付け狙い”楽園”への鍵を渇望する謎の貴族ダルシア三世。 彼らもまたそれぞれの思惑の元、キバたちと同じ終着点を目指し、交錯していく。