やんちゃなところもあるが、正義感だけは誰にも負けない18歳の青年・朝比奈大吾(山田孝之)は、難関の消防官試験を突破し、半年間のハードな訓練を経て、消防学校を卒業した。大吾がポンプ隊員として配属されたのは、東京郊外にある千国消防署めだかヶ丘出張所――通称“め組”。大吾が生まれ育った町を守り続けてきた消防署だ。めだかヶ丘出張所には、しっかりしていてちょっと強気な機関員・園田まひる(内山理名)と、救急救命士を目指す新人救急隊員の近藤純(ミムラ)というふたりの若い女性や、大吾の消防学校時代の先輩・甘粕士郎(塚本高史)がいた。さらに、消防の仕事をこよなく愛し、よき家庭人でもある隊長の平茂(石黒賢)、冷静沈着なエリート消防士・赤星みつる(葛山信吾)、釣りが趣味のベテラン消防士・植木彦助(モロ師岡)、研究熱心な消防オタク・万丈博士(温水洋一)と、個性的な隊員が揃っていた。そんな彼らを率いているのが、普段は競馬新聞ばかり読んでいる、一見昼行灯の所長・五味一(鹿賀丈史)だった。幼い頃火事に遭遇し、奇跡的に消防士に救出された過去を持つ大吾にとって、消防士はまさに最高のヒーローだった。高校時代の恩師・落合静香(小西真奈美)に勧められて、必死に勉強して消防士を目指したのも、その消防士のようになりたい、という強い思いがあったからだった。それ故に大吾は、のんびりと待機していてまったく緊迫感のない隊員たちの姿が信じられない。 め組に出場指令が下った。現場は一軒の住宅で、屋外にガスの臭気があり、ガス自殺の可能性があるという。到着しため組は、要救助者の検索を開始した。ちょっとした静電気だけでも爆発する可能性がある緊迫した状況下で、室内の換気を命じられた大吾は、火花を出しそうになって植木に怒鳴られ、腰を抜かしてしまう。激しく落ち込む大吾に声をかけたのはまひるだった。しかし大吾は、お前には俺の気持ちはわからない、と彼女にあたってしまう。するとまひるは、女性がポンプ隊員になれないことへの不満をぶちまけながらも、「私はあんたみたいにヤケになったりしない。いま出来ることを精一杯やるだけよ!」と言い放つ。そんな折、再びめ組に出場命令が下った。火災現場は、めだかヶ丘高校――大吾が通っていた高校だった・・・。