春。散り始めた桜の下で、2人の少女が出会う。 ひとりは、黒衣マト ――天真爛漫な笑顔の裏に、 彼女自身すら気づいていない"想い"を抱えた少女。 そしてもうひとりは、小鳥遊ヨミ ――凛々しくも大人びた表情に、 誰にも打ち明けられない"秘密"を隠した少女。 時おり寂しげな顔を見せるヨミに、 マトはなぜか心かき乱される。 一方のヨミもまた、 くるくると変わるマトの表情に吸い寄せられていく。 まるで自分の欠けている部分を、 相手のなかに見出したように、 引き寄せられていく2人。 初めは遠慮がちに、 でもいつしかしっかりと握られた手と手。 運命の糸に導かれるように、 マトとヨミは"絆"を結ぶ。 だが、やがて明らかになる、ヨミの"秘密"。 そしてマトが胸の奥に秘めていた"想い"。 少女たちの心と心がぶつかりあい、 叫び声を上げ始めるとき。 そのとき、世界は変わり始める。 鋭く胸を刺す痛みとともに。 誰も予想していなかった姿へと……。