受験が近づき、圭太が家にいない時間が増えた。 寂しい気持ちでいっぱいになるあことりこだが、以前にも圭太があまり家にいない時期があったことを思い出す。それは、2人が中学1年生の時の話。当時、小学6年生だった圭太は、あことりこの2人と距離を置くようになっていた。圭太の姉離れを受け入れようと、あことりこは告白してきた男子たちと試しにおつきあいしてみるが、ことごとく幻滅してしまった。 たまらなくなり、圭太に会いたくなった2人が放課後の小学校へ行くと、転んでも勝負をあきらめずに全速力で駆ける圭太の姿があった。 あの時のように頑張っている圭太を応援しよう、見守ろうと誓い合うあことりこだったが――。