医局長の小田切(渡辺いっけい)は家族と過ごす時間がないことを悩んでいた。今週末こそ家族サービスをしたい。しかし、数日医局に泊まり込み状態は救命の宿命みたいなもの、他の医師たちもぼやきながらも、頑張っている。そんな時、小田切の元に老人介護センターの医療部長として、引き抜きの話しが持ち込まれた。完全週休二日、倍の給料という好条件。急患の対応だけではなく、カルテ処理、部下の始末書を書くなど、ひっきりなしに舞い込む仕事に心身を削っていた小田切にとって、それはなんとも魅力的な話しではあった。そんな中、救命センターに激しい胸痛を訴えショック状態で危険な状態の急患が運ばれてきた。「心筋梗塞か?」急ぎストレッチャーのった患者かけよる進藤(江口洋介)。だが、進藤はその患者の顔を見てハッとなった。その様子に「どうかした?」と、すかさず問うたまき(松雪泰子)。しかし、進藤は「いや、なんでもない」と平静を取り戻し治療にあたろうとした。だが、患者が意外なことばを発したのだ、「・・・無駄なことはよせ・・・自分は末期癌だ・・・」。柴田茂文(谷啓)というその患者は、その後ICU室に移された。そんな柴田に、治療と検査の必要を話す進藤。だが、それは一切無駄な事だと柴田は拒否する。一体何が柴田をそこまでかたくなにするのか?進藤は諦めることができない。病院の面子を優先する神宮(津嘉山正種)は末期癌の患者は転院させろと言う。進藤は一刻も早くオペをすべきだと小田切に強く進言する。珍しく感情的になる進藤を見て、たまきは進藤に柴田と個人的な関係があるのだろうと尋ねた。だが、進藤は「ただ後悔したくないだけだ」と答える。そんな中、柴田が再び苦しみ出す。柴田に向かって「癌を取らなければあなたに明日はない、私に執刀させてください」とうったえる進藤。ようやく柴田の了解を得てオペ室に向かう進藤だった。そんな姿を見詰める小田切は・・・・。